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研究概要

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日本は、世界一の超高齢社会であります。さらに総務省の予測では、我が国の人口は2050年には1億人を割り込み、一方で65歳以上の人口割合は約39%になると推測されています(国立社会保障・人口問題研究所推計予測)。slide-kenkyu002この原因の一つは、平均寿命の延びにあります。今後も我が国の平均寿命はさらに延びると考えられています(右図)。寿命が延びると、それに伴いまして病気を患うことも増えてきます。超高齢化社会では、天寿を迎えるまで、健康で明るく楽しい生活を可能な限り長く送ることが重要であります。このように日常的に介護を必要としないで、自立した生活できる生存期間のことを健康寿命と言います。
健康寿命を平均寿命に近づけることが、超高齢化社会の命題でありますが、残念ながら平均寿命と健康寿命の差は14年前も今も差はありません(下図)。政府もこれを問題視しておりまして、官邸主導の「新たな成長戦略(日本再興戦略)」において、「国民の健康寿命を延伸する社会」が国策として推進されています。
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健康寿命を妨げる要因として、加齢・疾病による視聴覚障害、ロコモディブシンドロームと呼ばれる骨、関節、筋肉などの運動器の障害、認知症・うつ、四肢の麻痺・疼痛など、神経・感覚運動に関する組織や臓器の病気が多くを占めます。これらの病気は死に直接繋がらないため、治療法・治療薬の開発研究は、がんや高血圧などの創薬研究と比較して大変遅れています。
熊本大学は、神経・感覚運動科学領域において、創薬研究、iPS細胞研究などで世界的にも独自性の高い研究拠点であります。さらに熊本県は、認知症ネットワーク(熊本モデル)の確立、遺伝性アミロイドーシスの世界的集積などでも、大きな科学的かつ社会的な注目を集めています。そこで本学では、神経・感覚運動科学領域において、分野・診療科横断的な基礎・臨床研究融合型の世界トップレベルの研究組織を構築し、本学の優位点である疾患由来iPS細胞研究やエビゲノム研究のアプローチを組み合わせ、新たな治療技術創出の開発拠点としての研究拠点を形成することになりました。本拠点では、健康寿命を延ばすことに貢献する診断法、治療薬や治療技術の開発を目指します。さらに、本領域における国際交流と若手研究者育成を推進することで、積極的なグローバル展開を目指したいと思います。

拠点リーダー(眼科学分野 教授)
谷原 秀信

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