熊本大学による「Kumamoto」オリジナルの独創的な情報発信を可能にする研究拠点

アジア型2型糖尿病治療薬開発に向けた臨床研究

プロジェクトリーダー 富澤 一仁

(1)研究の背景
我が国の2型糖尿病患者数は、その予備軍の人も加えると2千万人以上と推定され、国民病と言われています。日本人が糖尿病になりやすいのは、元来インスリン分泌が悪いところに、近年食事が欧米化したことにより膵臓β細胞が疲弊し、細胞数が減少することが原因と考えられています。tomizawa-pict-1高度の肥満が原因とされている欧米人の糖尿病とは成因が異なります。日本人型2型糖尿病のメカニズムは解明されておらず、日本人に合った2型糖尿病の画期的な予防法、治療法は確立していません。

(2)研究の目標
我々が新しく開発した日本人型2型糖尿病治療薬に関する臨床研究を行い、その効果について明らかにします。

(3)研究の特色
最近の研究により2型糖尿病に関連のある遺伝子変異が明らかになってきました。Cdkal1は日本人型2型糖尿病と最も関連のある遺伝子の一つで、この遺伝子に変異があるとインスリン分泌が悪く糖尿病になりやすいことが分かってきました。我々は、Cdkal1の機能を明らかにし、同遺伝子欠損マウスを用いて、Cdkal1に変異があるとなぜ2型糖尿病を発症するのかそのメカニズムを明らかにしました。さらに、このメカニズムに合致した治療薬を突き止めました。本研究では、この治療薬が日本人型2型糖尿病に有効であるか、臨床研究で明らかにします。

(4)将来的に期待される効果
現在の糖尿病治療薬は、日本人も欧米人も同じであり、インスリン分泌を促進することを目的とした薬が主流であります。しかし日本人の場合、このような薬を長期に服用すると膵臓にダメージを与えると考えられています。本研究により、日本人に合った糖尿病治療薬の開発が期待できます。
slide-tomizawa001

お気軽にお問い合わせください TEL 096-373-5050

PAGETOP
Copyright © 熊本大学 All Rights Reserved.